惜しまれなが辞めたい

会社に惜しまれながら辞めたい。

僕が務めていた会社は同年代と比べても比較的給料もよく、大手商社のグループ企業であった為財務状況良く業績は安定しており、大きな問題さえ起こさなければ将来は安定した生活や社会的信用を得ていただろう。

会社を辞める事を伝えてから同僚をはじめ、周りの人間から”もったいない”、”将来安定なのに”、”後悔するぞ”など色々な言葉を頂戴した。周りの言う事は一般的に見ればごもっともな意見だが、僕の考えとは違った。将来やりたい事を我慢してまで一生同じ会社で務める事がどうしても我慢できなかった。(決して退職した会社を悪く言う意味ではない)やりたい事があるのに我慢してまでサラリーマンをやっていく方がよっぽど後悔する人生だと思った。

もともと、サラリーマンを3年間続けたら仕事を辞めて世界へ旅に出ようと思っていた。ただ3年間続けるんではなく、会社から必要とされ、会社の第一線で活躍してから退職させて頂こうと思っていた。自分でこんな事言うのもあれだが、会社に惜しまれながら辞めたかった。

然し、入社して間もない頃は、右も左も分からず、何をやっても失敗ばかりで、何度も会社を辞めようと思った事があった。仕事もつまらなかった。上司との飲み会の場でもボロボロに怒られSNSに愚痴を書いた事もあった。僕がSNSに書いた愚痴のタイムラインをたまたま見た、日頃からお世話になっている先輩から、ある返信を頂いた。「悔しかったら結果を出してみろ」この言葉は今でも忘れない。その通りだった。その当時、僕は仕事が何もできないくせに周囲へ一丁前に文句や愚痴を一生懸命垂らしていた。仕事がつまらなかった理由も、新人のうちは仕事がなく、与えられる仕事を何の意味かも分からずただ漠然とやっていただけだったと今となって理解できる。

僕は一年目の途中から、結果を出しまくって惜しまれながら会社を辞めてやる!と本気で思いながら仕事をする様になった。仕事に対する姿勢や捉え方も一から全て見直した。結果を出している人の真似をひたすらした。沢山のビジネス本を読んだ。色んな人の話を聞いた。色んな事に興味を持つ様にした。会社の人と沢山コミュニケーションをとる様にした。休みとか関係なく四六時中仕事の事を考えていた。上司・顧客からの連絡は全て5分以内に返信する様に努力した。仕事に通じて自分のプラスになる様な事は全部やった。2年目になると同時に会社の大きな得意先を僕に任せて頂ける事になった。緊張しながらも心の中でガッツポーズしてやった。数えきれない程のミスや失敗はしたが、結果も少しずつ出る様になり仕事を通じて自分の成長を感じる事が出来てきた。仕事の内容もハードになりプレッシャーから寝れなくなる事もあった。然し、仕事がめちゃくちゃ楽しいと感じる様になってきた。社内・社外からも少しずつ信頼を勝ち取る事が出来てきた。短い間だったが自分なりに死ぬ気でやりきれた。3年半がたった今、退職願いを出した際に社内・社外から”辞めないで”、”悲しい”など有難い言葉を頂けた。お世辞ではなく心からの言葉だったと感じ取れた。先輩も、僕が辞めると言った時涙を流してくれた。何故だか僕まで泣いてしまった。分からないけどとても嬉しかった。会社を辞めてからも、会社の人とはよく飲みに行ったり遊びに行ったりしている。この会社で3年半務められて本当によかった。

入社して間もない頃は本当につまらなかった。毎日が苦痛だった。満員電車も憂鬱だった。目標を持つ様になってから180度仕事への考え方が変わった。何事も目標や、夢は持つべきだと自分の体験談からそう思う。仕事も、大きなプロジェクトを任されて会社の第一線でやっていれば本気になるし、成功談を通じてやりがいにもなってくると思う。僕はこれからも常に夢や目標を持って生きていくつもりだ。

今、仕事がつまらないと思っている人がいたら、一回立ち止まって考えてみるといい。ただ、漠然と仕事をしていても何も成長しないし、仕事もどうせやるなら楽しかったり、やりがいがある方がいいに決まっている。人は人に必要とされた時に喜びややりがいを感じる単純な生き物だ。